一般ニュース 6月2008年

25/06/08 整備士のストライキでフライトがキャンセルに − カンタス航空
25/06/08 中国との自由貿易協定 (FTA)協議が北京で再開
25/06/08 連邦政府に国際線の増便を陳情 − タイガー航空
18/06/08 オーストラリアへの運航開始は来年末以降に − カタール航空
18/06/08 ニューサウスウェールズ州の63%が干ばつとして認定
18/06/08 競争相手が勢力を伸ばしカンタス航空のマーケトシェアーが低下
11/06/08 日本線のスケジュールを大幅に見直し − カンタス航空
11/06/08 メルボルン線を週4便に増便 − ガルーダ航空
11/06/08 4月のオーストラリアの貿易赤字が大幅に減少し10億ドル以下に
04/06/08 今月も政策金利の据え置きを決定 − 連邦準備銀行
04/06/08 燃料費の上昇でリストラ加速、日本線の見直しも−カンタス航空
04/06/08 オーストラリアとチリがFTA(自由貿易協定)締結に合意

                                                 

06月25日2008年 整備士のストライキでフライトがキャンセルに − カンタス航空

  カンタス航空は、賃上げを要求する整備士のストライキにより、6月24日のシドニーからメルボルン行きのフライト18便をキャンセルした。 同社が1,500人の整備士に提示した3%の給与引き上げに対し、それ以上の賃上げを拒否したことで、6月23日にもシドニー、メルボルン、ケアンズの整備士が4時間に渡り職場放棄を行い、6便がキャンセルになっている。 オーストラリア整備士協会(ALAEA)は5%の賃上げを要求している。 カンタス航空は、ストライキの間管理職の整備士や元整備士によって対応をしているが、ALAEAのポール・コウシンス会長は、「それらの管理職たちは、現役の整備士ほど経験がなく、旅客を危険に晒すものである」と非難している。 一方、カンタス航空のデビット・コックス整備部長は広報担当を通じて、「今回も、労働組合が賃上げを要求する際にいつも使う、安全性について過大に問題視するよい例である」と話した。 6月24日のキャンセルによって影響のある旅客は、当初予約しているフライトの90分以内のフライトに再予約されたが、国際線のフライトには遅れが生じる見込みである。 (Source: AAP, 24/06/08 "Qantas flights cancelled due to strike")

06月25日2008年 中国との自由貿易協定 (FTA)協議が北京で再開

  オーストラリアと中国の自由貿易協定 (FTA)の協議が、6月16日に北京で再開される。 今回は、4月にラッド首相とサイモン・クリーン貿易相が別々に中国を訪れたあと、ラッド政権にとって初めての中国との協議となる。 クリーン貿易相は、「今回の協議は、質が高く包括的なFTAに向けた話し合いを行う重要なものである。 協議では引き続き、農業、製造業、サービス業、資源、知的所有権などすべての問題を話し合い、4月に合意した早期実現のための期限設定を行なう。 オーストラリアとしては特に、貿易や投資などに障壁があるサービス業への早期合意を望んでいる」と語った。 中国は、2007年にはオーストラリアにとって最大の双方向(商品・サービスの輸出、輸入を合わせた)の貿易相手国である。 今回が2007年10月に正式に両国のFTA協議が始まって以来、11回目の協議となる。 (Source: Media Release, The Hon Simon Crean MP Australian Minister for Trade, 13/06/08 "Australia-China FTA Negotioations Resume in Beijing")

06月25日2008年 連邦政府に国際線の増便を陳情 − タイガー航空
  カンタス航空が国際線の削減を発表したことで、タイガー航空は連邦政府に対して国際線の増便許可を求めている。 カンタス航空は最近、今後の燃料費が20億ドル増加するのに対処するために、一部の国際線の減便を発表した。 こうした状況でタイガー航空は、その穴を埋めるべく国際線の増便に高い関心を示している。 連邦政府アンソニー・アルバニーズ運輸相の事務所は、「現在の法律の規定では、タイガー航空の国際線の増便を禁止しており、アルバニーズ運輸相が勝手にタイガー航空の国際線の増便を認めるわけにはいかない」と話した。 しかし、タイガー航空のスティーブ・バーンズCOOは、「タイガー航空が国際線を増便すべき理由がある。 オーストラリアへ、またはオーストラリアに来る旅客の輸送や、オーストラリアの観光事業は、カンタス・ジェットスターというひとつのグループによって支配されている。 正直に言って、カンタス航空とジェットスター航空は、便数を削減して、運賃を上げることに熱心である。 これではオーストラリアの経済に逆効果である。 来週、我々の代表が運輸相に会ってこの問題を協議する。 我々の顧客からは毎週、国内線だけでなく、もっと国際線の運航を増やして欲しいとの電子メールが数多く寄せられている。 我々もそうしたいが、現在のオーストラリアの法律では、この要望に応えることができない」と語った。 (Source: ABC, 13/06/08 "Tiger lobbies for more international flights")
06月18日2008年 オーストラリアへの運航開始は来年末以降に − カタール航空
   カタール航空(Qatar Airways)のオーストラリアへの就航は来年末以降になりそうで、運航の許可を受けてから、実際に運航するまでに2年半の時間が掛かる見込みである。 関係筋によると、同社はアメリカ路線の拡張を優先しており、近い将来、より多くの長距離用の飛行機が納入されてから、オーストラリア路線の就航を検討する計画で、おそらく2009年の末になる模様である。 同社のプロダクト&マーケティンク ゙マネージャーのピーター・イナル氏は、「我々は、オーストラリア線を軽視しているのではなく、就航することは決めている」と話した。 同社は、今年には中国の広州、インドのカルカッタ、アメリカのヒューストンへの就航を予定しており、11月からは新しい長距離用のB777-200を使用する。 オーストラリアへは、さらに多くの長距離用の飛行機が納入され次第就航する。 同社は本来なら、ドーハ/メルボルン間をデイリーで運航、そして第2番目の空港にデイリーで運航出来る許可を取得した昨年、オーストラリア線の運航スケジュールを発表する予定であった。 航空評論家は、「燃料価格が高騰している現在の状況では、長距離路線の開設に慎重になるのは当然である」と話す。 (Source: Travel Weekly, 04/06/08 "Qatar stalls on Australia")
06月18日2008年 ニューサウスウェールズ州の63%が干ばつとして認定

  ニューサウスウェールズ州の60%以上が干ばつに認定され、先月より14%増加した。 同州の63%が干ばつに認定され、ほかの24%の地域が干ばつに近い状態とされている。 特に州南西部が影響を受けている。 同州のイアン・マクドナルド第一産業相は、「農家が冬作物の種を植えるのに、今後2−3週間のうちにかなりの量の雨が必要になる。 農家の人たちは、すでに5年連続で不作となってる。 特に州南西部の農家はダブルパンチを受けている。 彼らの冬作物は一部でしか植えられないし、灌漑用水がある地域でも水の割り当てが少なく、米やほかの園芸作物などの夏作物の見通しは絶望的である」と話した。 (Source: ABC, 15/06/08 "63pc of NSW drought declared")

06月18日2008年 競争相手が勢力を伸ばしカンタス航空のマーケトシェアーが低下
  競争相手の躍進により、昨年のカンタス航空のマーケットシェアーが低下している。 最近の政府のインフラ・運輸・地方経済局の統計によると、カンタス航空は、国際線旅客マーケットにおいて最大のマーケットシェアーを確保しているが、2007年は2006年の28.2%から26.8%に低下した。 2位はシンガポール航空の11.1%、3位はニュージーランド航空の9%、4位はエミレーツ航空の7.4%。5位はジェットスター航空の4.9%となっている。 旅客数としては、カンタス航空は1%増加したが、シンガポール航空の3.6%、エミレーツ航空の14.4%、ニュージーランド航空の5.8%にはおよばなかった。 過去10年間を見ても、カンタス航空はマーケットシェアーを11.7%落としているが、シンガポール航空は4.4%、エミレーツ航空は7%伸ばしている。 一方、格安航空会社は、2005年の4.5%から2007年には10%と、2年間で2倍以上となっている。 カンタス航空、ジェットスター航空、パシフィック・ブルー航空(バージン・ブルー航空の国際線会社)を合わせたオーストラリアの航空会社のマーケットシェアーは、1997年の43%から2007年には33%と低下した。  (Source: Australian, 07/06/08 "Qantas losing market share as rivals expand")
06月11日2008年 日本線のスケジュールを大幅に見直し − カンタス航空
  カンタス航空は、「燃料価格の高騰により、国際線のスケジュールを見直した結果、日本と南東アジアに大きな影響がでた」と発表した。 同社によると、A330で週3便運航しているメルボルン/東京線を9月から運休、シドニー/東京線を週9便から7便に減便、12月からジェットスター航空によるケアンズ/大阪、名古屋線を運休する。 また現在B767で週14便運航しているケアンズ/東京線を、12月から週7便のジェットスター航空に移管する。 ジェットスター航空は、12月より新しくA330を使用して週5便のゴールド・コースト/東京線を開設する。 同社のジェフ・ディクソン社長は、「今回のスケジュールの見直しで、日本とクイーンズランド州間では引き続き週1万1,500席以上の旅客席を確保できる。 燃料費の高騰で航空会社は今後2年間に渡り、対応を迫られることになる。 我々は各路線ごとに慎重に検討し、各マーケットにあった運航体制を考えてきた。 近年、日本とクイーンズランド州北部間の採算性が悪く、現在の燃料価格で、現在のスケジュールを維持すると、カンタス・グループ全体で1億ドル以上の損失が出る」と話した。 また、ジェットスター航空はシドニー/クアラルンプール線を運休し、9月から現在A330で週3便運航しているシドニー/ホーチミン・シティー線を、A320で週5便のシドニー/ダーウィン・ホーチミン・シティー線に変更する。 (Source: AAP, 05/06/08 "Qantas alters schedule due to oil prices")
06月11日2008年 メルボルン線を週4便に増便 − ガルーダ航空
  ガルーダ航空は7月22日から、メルボルン線を週4便に増便することになった。 これは以前発表した7月25日からのダーウィン線の増便を受けて、オーストラリア事務所がインドネシアの本社に要望していたものである。 同社は、高いロードファクターを背景に、オーストラリアのすべての空港からの増便を望んでいる。 オーストラリア統計局の最近の発表では、今年第1四半期にオーストラリア人がバリに行ったのは5万4,407人で、前年同期より57%増加している。 ガルーダ航空のマエーケティング・マネージャーのジェーン・ミロジェビッチ氏は、「今回の増便は、旅客の高い需要の伸び(北部準州から71%増、メルボルン・タスマニアから44%増)を反映したものである。 また、本社にシドニー線の増便も打診しており、出来れば今年末には実現したい」と話した。 (Source: Travel Weekly, 03/06/08 "Garuda adds more capacity")
06月11日2008年 4月のオーストラリアの貿易赤字が大幅に減少し10億ドル以下に

  オーストラリア統計局(ABS)は、4月のオーストラリアの貿易赤字が大幅に減少して9億5,700万ドルになったと発表した。 ちなみに3月の貿易赤字は25.5億ドルで、エコノミストたちの4月の予想では17億ドルであった。 この4月の大幅な減少の要因は輸出が6%増え、輸入が2%減少したことによる。 非農産品の輸出が7%、石炭製品が23%、金製品が29%、農産品が6%とそれぞれ増加した。 逆に輸入は輸入資本財オーストラリアは、近年の資源輸出ブーム(特に中国)にもかかわらず、貿易赤字が記録的に続いていた。 月別で最後に貿易収支が黒字になったのは2002年の3月である。 RBCキャピタル・マーケッツ社の主任エコノミストのスーリン・オング氏は、「4月の輸入の減少は明らかに、過去12年間で最高となった金利により、家計の支出が少なくなっていることを物語っている。 今後も借入金や支出が抑えられていくことになる」と話した。 (Source: AAP, 05/06 "Trade surpluses could be coming: experts")

06月04日2008年 今月も政策金利の据え置きを決定 − 連邦準備銀行

  オーストラリア準備銀行(RBA:Reserve Bank of Australia)の理事会は今日、政策金利を据え置くことを決定した。 RBAは昨年8月から4回に渡って0.25%づつ金利を引き上げてきたが、今日の発表では現在の7.25%を据え置くことにした。 3月までの年間消費者物価指数(Consumer Price Index)が4.2%となり、RBAが目標にしている数値を大幅に超えているが、今後の景気動向を見る必要があるとして今月は据え置く決定をした。 RBAは声明で、「依然、オーストラリアの産品輸出ブームが消費者や企業の購買意欲に拍車をかけている懸念があり、賃金の上昇や商品価格設定によりインフレのリスクがある」としている。 (Source: ABC, 03/06/08 "RBA leaves rates on hold")

06月04日2008年 燃料費の上昇でリストラ加速、日本線の見直しも−カンタス航空
  カンタス航空は、安定的な将来に向けたリストラ・プログラムを加速し、燃料費の上昇に対処するために、主要な路線を子会社のジェットスター航空に移管することも検討している。 同社は昨日、記録的な燃料費に対する対策として、不採算路線からの撤退、航空機の削減、人員削減、幹部給与の凍結を発表した。 現在は燃料価格のヘッジ取引の恩恵を受け、過去最高となる今年度の約14億ドルの利益には影響しない。 しかし、来年度の高い価格でのヘッジ取引契約により、2008-2009年度は燃料費が20億ドル増加する見込みである。 カンタス航空による5%の輸送能力削減については、経済アナリストたちは歓迎するものの、労働組合の反発が予想される。 カンタス航空は、主要路線に使用している7機の航空機とジェットスター航空の1機を削減し、ジェットスター航空のためにオーダーしていたA321もキャンセルする。 またカンタス航空とジェットスター航空は不採算路線からの撤退や減便を行なう。 来週、カンタス・グループは国際線の減便を発表することにしており、アナリストたちは日本路線が最も影響を受けるのではないかとしている。(Source: Australian, 30/05/08 "Qantas looks to restructure as fuel costs spiral")
06月04日2008年 オーストラリアとチリがFTA(自由貿易協定)締結に合意
  オーストラリアとチリはFTA(自由貿易協定)の交渉を終了した。 この協定では、チリが最も神経を尖らせている品目の砂糖を含めたすべての農産物に適用される。 この交渉の終了は今日発表され、オーストラリアのサイモン・クリーン貿易相は、「今回の交渉は、過去のオーストラリアによるFTA交渉の中でも、最も広範囲に及ぶものであった」と話した。 懸案となっていた問題は今日の朝、クリーン貿易相とチリのアレジャンドロ・フォクスレイ貿易相との電話協議で解決した。 クリーン貿易相は、「正式なFTAの署名は、両国内でそれぞれ批准の手続きが完了した後、7月後半に行なわれる予定で、2009年1月1日から施行される」と語った。 今回のFTAでは、2015年までにすべての農産品が自由化される。 今回の交渉の主なポイントは以下の通りである。

* 現在動いている農産物の97%の関税が撤廃され、2015年までには完全に自由化を目指す。
* WTOと GATS、そしてお互いの約束に基づき、オーストラリアとチリ間の現在のサービスと投資体制は固定する。
* 両国の商品やサービスの提供者は、両国政府による調達市場にも参入が保証される。
* 特許、登録商標、地理的表示、著作権などの知的財産権は、透明性が高く、高い基準で保護される。

オーストラリア農家連盟(NFF)のデービット・クロンビー会長は、今回の合意を画期的なことと表現し、「チリの砂糖を含めたすべての農産物を対象にした今回のFTA交渉の合意は、いろいろな形のFTAの中でも最も良い見本となる。 オーストラリアの農産品輸出業者は大きな恩恵を受けることになり、将来的に両国間の貿易が拡大する可能性がある。 チリは特に、我々の赤肉、酪農製品、ワイン輸出にとって重要なマーケットであり、すべての農産品にとっても恩恵がある」と話した。 (Source: National Rural News, 27/05/08 "Aust, Chile conclude free trade agreement")